重曹とは?汚れを落とす効果は皆無、他の洗剤を邪魔することも…
公開日:
重曹は掃除や洗濯での使い方がよく紹介されています。しかし、多くの汚れに対して洗浄効果はほとんどありません。むしろ、重曹を使うと洗浄力が低下するケースも多いのです。
この記事では、重曹とはどんな物質か解説し、掃除や洗濯に用いる場合の注意点も紹介します。
重曹とは?
重曹は、水に溶かすとアルカリ性を示す物質です。そのアルカリ性は非常に弱く、汚れを落とす化学的作用はほとんど期待できません。
重曹水溶液を使って汚れが落ちたとしても、水拭きや水洗いの効果で汚れが落ちたケースが大半でしょう。「重曹は○○汚れに効果的
」といった情報は、根拠がない場合も多いので注意が必要です。
- 関連記事
-
油汚れは重曹・セスキで落ちません!実験して解説【皮脂は例外】|カガクなキッチン
例外として、皮脂には、重曹によりある程度の洗浄効果が見込めます。
重曹を使うと洗浄力が低下するケース
重曹は、単に洗浄効果がほとんどないだけでなく、他の洗剤と組み合わせて使うと洗浄力を低下させる場合もあります。
以下の洗剤は、重曹と一緒に使うことで洗浄力が低下します。
- 重曹との組み合わせで洗浄力が低下する洗剤
-
- 過炭酸ナトリウム(粉末の酸素系漂白剤)
- 炭酸ナトリウム(炭酸ソーダ・炭酸塩)
- 炭酸ナトリウム(炭酸ソーダ・炭酸塩)配合の洗濯用粉末洗剤
- 石けん
- アルカリ電解水
これらの洗剤を溶かした洗浄液に重曹を混ぜると、pHが低下(アルカリ性が低下)してしまいます。
また、石けん水では多量の重曹を溶かすと、石けんが水に溶けにくくなったり、泡立ちが悪くなったりします。
重曹をほかの洗剤と組み合わせて使っても、必ずしもプラスに働くとは限りません。
まとめ
重曹は、料理(ふくらし粉やあく抜き)や昔ながらの炭酸水作り、発泡入浴剤など、正しく使えば便利な物質です。(重曹の詳しい性質や用途は別の記事で解説しています。)
しかし、重曹が掃除や洗濯で効果を発揮する場面はあまり存在しません。むしろ、他の洗剤と組み合わせることにより、洗浄力を低下させてしまわないよう注意が必要です。